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―むり・くり―プラスコミュニケーション(更新終了)


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2005年8月22日 16:30

萌えチコタン

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第1章

「なぜなんだ、俺は最近いつもチコタンのことばかり考えている」
「この感情は何なんだ、つまり恋?」
「チコタンの何がいいのだろう。」
「クラスで一番チビだからか?」
「俺がロリ属性だからか?」

「くっそーチコタンチコタンチコタンタン……」
「食べてしまいたいYO!」

第2章

「ち、ち、ち、ち、ち、ち、ち、ち、ちえこさん」
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、ぼくぼくの」
「か、か、か、か、か、か、か、かのじょに」
「な、な、な、な、ってください!」

第3章

「ほっといてくれ!」
「ご飯なんかイラン。テレビも見たくない。」
「父ちゃんのバカ。なんでうち魚屋なんだよ!」
「チコタン魚嫌いだから、俺、失恋したじゃないか!!」

第4章

「いいこと思いついたよ!」
「チコタン、エビカニタコ好きなんだって。」
「ならエビカニタコだけ売る魚屋になればいいんだ。」
「ほんとにいいこと思いついた。」
「ヤホー!」

「……いいよ。つきあうよ。」
「えっ? ほんとうに?」
「うん、OK。」
「やったーっ!! でも、この前魚屋なんてイヤだって言ったじゃん、本当にいいの?」
「あのときは、急に告白されたから、つまり、急だったんで、魚屋なんてイヤなんて言っちゃったんだ。ほら、私ってツンデレだから。……ごめんね。」
「……ねえ、チコタン、ふつう自分のこと『ツンデレ』って言わないと思うんだ。」
「あーっ、いま私のこと『チコタン』って言った! あれだけ言わないでって言ってたのに。」
「周りに人がいないのにダメなわけ? じゃあ、いつならいいの?」
「うーん、ひみつだね、それは。」
「なんだよそれー?」

第5章

「二人で約束してたのに。」
「チコタン、交通事故で」
「死んでしまった。」
「あのとき忘れ物取りに行くっていうから」
「うちに忘れ物取りに帰る途中で……」
「チコタン!」
「写真の中で笑うな!」

「これ、泣きゲーだよね?」
「泣きゲーだったら、ここで『奇跡』が起こるんだよね。」
「永遠はあるよね。」
「桜の精とかが4月1日に戻してくれるんだよね。」
「ほーら、桜の精みたいなふわふわした女の子が現れた。」
「……だめです」
「っていきなりだなあ。何がだめなの?」
「……だめなのです。これは、エロゲーではなくて、トラウマソング。この運命からは、あなたは逃れられない。」
「なにいっているんだよ。『トラウマソング』とか、『運命』とか?」
「だから、この世界が、歌の中の世界なのだと言っているのです。そしてあなたは登場人物のひとり。」
「彼女ができて、そして彼女と永遠の別れを演じる主人公なのです。」
「……えっ?」
「だから、最初からやり直しても、True End への分岐点もなければ、フラグが立つ場所すらないのです。」
「再生ボタンが押されるたびに、出会いと別れを永遠に繰り返すのです。」
「そ、……そんなぁ。チコタンとの出会いが、別れが、他人に作られたものだったなんて。そして、俺自身が作品の主人公だったなんて。そんな運命なんてあるか!」
「アホーーーーーー!!!!」

: 児童合唱~南安雄作品集
児童合唱~南安雄作品集

投稿 大野 義貴 [オタ] | |

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