昔のデータが出力できないのは時代のせいじゃないよ
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ほっと@DTP: あの…データありますか? [hotdtp.cocolog-nifty.com]
「あの、8年ほど前にやったんですけど、データありますか?」というよう話がたくさんあります。こんなに前の年数のデータではないけれど似た話は多いのです。データはだいたいあります。しかし、問題はDTPの環境が違ってしまうと言うことです。まず、同じアプリケーションと同じOS環境で仕事をしているなんて、ありえません。この時代に。
これは、時代のせいにした逃げでしかないし、お客様に説明する説明としては苦しいのではないでしょうか。
8年程度前の環境だったら、モリサワ OCF フォントを秘伝のたれのように大事に保存していて(もしくはビットマップの OCF フォントを使いこなして)、ソフトが残っていれば使えると思うのです。
しかし、実際には、古い Mac を維持するコストがかります。つまり、「時代」の問題じゃなくて「コスト」の問題。かかるコストに見合った利益が上がれば古い環境を維持することをやめる理由はありませんし、ペイできなくなった時点でやめればいいです、ていうか実際にそうやって判断していると思います。
そうやって古い環境を維持してきて次に問題になるのは、作業上のノウハウ。「あれ、このニィス書体、RKSJ じゃなくて SJIS だった!」とかそういうたぐいの話。ここをスマートにこなすにも何かしらの作業(≒コスト)が必要ですよね。
つうわけで、繰り返しますが、「時代」のせいじゃなくて、あくまでも「コスト」のせいです。「割に合わないから昔の環境は用意していないんですよ。」で終了。もしくは、「昔のデータを出せない業者も多くなってきましたので、弊社でうけたまわりますよ。」ていう業態もあるということです。
この、出力環境を維持するコストというのは、最新の環境よりもちょっと古めの環境の方が低くなります。たとえば、Adobe CS 3 が発売されたとして、発売されたその瞬間においては、Adobe CS2 の方が出力環境維持コストが低いと言うことになります。
現在 Illustrator 8 出力環境がもっとも出力環境維持コストが低いのだと思うのですが、Illustrator CS 以上の仕事が増えてきていることもあり、Illustrator 8 環境の維持にもコストがかかる状態になってきています(専門学校卒の新人君が Illustrator 8 使えないので教育訓練しなくちゃいけないとか聞いたことがあります)。
あと、違法フォント&旧環境を使っている人は、そういうコストが非常に低いからいまだにそこにいるという見方もできると思います。
ベンダが強力に新環境を促したいなら、旧環境維持コストがミニマムになるような製品にすればいいのにね。
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