HelveticaとArialの字幅がわざと同じ
デザインの現場 小林章の「タイプディレクターの眼」 : 「似た」フォントって [blog.excite.co.jp]
ちょっと前に騒がれた(というか多くのデザイナーにすっごく嫌われた)Arial (アリアル)は、ライノタイプのトップセラー書体 Helvetica(ヘルベチカ)のクローンだと言われました。大手ソフトウェア会社が、ライノタイプにライセンス料を払わずに「素人目には Helveticaっぽい書体」をOSに搭載したわけです。実際に重ね合わせると、文字の輪郭そのものは微妙に違っています。でも、字幅がぴったり同じなんです。ここです。書体デザイナーを始め、文字に詳しいデザイナーの多くが「反 Arial」を声高に叫んだのは。
Arialのフォントファイルには、モノタイプのコピーライトが入っているけれども……? ライノタイプのHelveticaを採用せずに(=当然、ライセンス料を払わずに)、モノタイプのArialを採用したのではないでしょうか。
Windows 3.1でスケーラブルフォントの形式、TrueTypeフォントとして同梱されたArialは、PostScriptで出力するとHelveticaに置換されるよう設定されていて、いわばHelveticaのスクリーンフォントというべき存在だったものですから、字幅が同じでないとフォント置換しても字がくっついたり離れたりしますので、これはもともとそういう製品として作られたと考えるといいと思います。
(今の製品のArialが全てにおいてHelveticaと字幅や字送りが同じかは僕は調べていない。というのは、今はArialの指定があればArialで出力できる時代になっているからです。)
字幅や字送りに関しては、例えばワープロソフトで文字を打つとき、フォントに設定されている字送りに従って表示された文字を人間の目がとらえ脳で判断が入り次のプロセスに移っているわけで、どんなくだらない挨拶状であったとしても、文字の位置についてはユーザの成果物であって、フォント制作者の都合のみで字幅や字送りを語るのは一面的な見方ではないかなと思います。
Arialを使うのがイヤとかいうのは、各個人の信条の問題だから、そう思った人がライノタイプのHelveticaを購入して使えばいいだけの話ですよね。
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