電子書籍として「セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~」(旧名:True Color,)を読んでみるといいかも
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年末年始用にと買ったPSP用ソフト「セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~」をクリアしました。というか、読了しました。
いわゆるコマンド選択式アドベンチャーゲームっていうやつです。普通のコマンド選択式のゲームは、物語の流れを分岐させる「選択肢」が表示され、その直前に「セーブ」することで、一方の選択肢を選んだ後のストーリーを確認した後、「ロード」して選択肢まで戻りもう一方の選択肢にすすむ、ということをやるわけですけれども(ゲームとかやったことがなくてイメージしにくい人は、テレビアニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
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で具体的な作業が映像化されているのでぜひ)、この「セカンドノベル」では、選択肢を選ぶことをゲーム進行の条件にする、という大胆なシステムで、制作者側が用意されたすべての選択肢を回収させるようにゲームデザインがされています。
はたして、この「セカンドノベル ~彼女の夏、15分の記憶~」というゲームソフト、電子書籍と言えるかどうかということなのですけれども、このゲームのディレクターの深沢豊氏は、以前からパソコン用アダルトゲームソフトで、「物語をつくる」という行為をされてきた方です。
過去の作品として、
- 忘れものと落し物(FLAGYX, 1997, リメイク版)
- チュートリアルゲーム(FLAGYX, 1999)
- 2nd LOVE(Force, 2000, 中古市場流通)
- 書淫、或いは失われた夢の物語。(Force, 2000, 中古市場流通)
- True Color,(LANGuex, 2004)
などがあります。
ストーリーに関しては置いておくとして、毎回「物語」に合わせたシステムを用意するのが特徴の作風で、ある作品については、コマンド選択式ゲームだと思いきや、よく見るとコマンド選択がコマンド欄に入力されるタイプであって、肝腎なところでキーボードから入力させられる、つーのとか(デゼニランドのpolish piller並!)、あるのですけれども、今回の「セカンドノベル」では、大体想像の範囲のゲームシステムで安心しました。
ならば、システムにそんな特徴がないのか、と言うと、そうではなく、今のゲームソフトに搭載されている「実績システム」の様なものが自然に搭載されているのが特徴です。
「実績システム」……まあ、PCアダルトゲームには昔から実績システムが搭載されているようなもんなんですけれども。
実績システムとは、ゲームの進行の度合いにより、今まで使えなかった機能が使えるようになったり、今までプレイできなかった別シナリオがプレイできるようになったりするものです。いままで機能制限があったものが、制限を解除されるので、よく「実績解除」っていいますよね。
PCアダルトゲームでいえば、「一度バッドエンドを見たら、選択肢が増えている」というのが、実績システムに当たると思います。なあに、昔から存在しているんです。
あと、実績システムとしては、ユーザに、ゲームがどこまで進んだか、という情報をフィードバックしてあげる必要があります。大抵の実績システムでは、実績解除のときに、「実績解除の表示」がモニタ上に表示されたり、ゲームコンソールやアカウントに記録されたりします。そのゲームに設定されている実績解除待ちの項目が一覧で表示されたりするゲームもありますね。
▲PS3用アフターバーナークライマックスの実績表示
一覧で見えるようになっている、というのは、PCアダルトゲームでは「CG観賞画面」として、25年前ぐらいまえから搭載されています。まあ、目的がスケベ絵を表示させる、ということですから、苦労して表示させた絵は、表示させた実績がある、ということで、表示制限を解除されるわけですね、理にかなっている!
(ここでは、実績システムのもう一つの要素の、「他の人に見せびらかす」っていうのはちょっと除外。)
さて、「セカンドノベル」では、話の進み方に対応した「カード」を集める、という形で実績システムが作られています。物語の中で、必然性を伴い「名刺大のカード」に「物語のなかの物語」の「あらすじ」を記録していくのです。
カードは、必然性を伴ったカード一覧画面に展開され、プレイヤーは、物語の進行状態を視覚で確認できる、というわけです。
最終的に、プレイ終了、つまり読了時は、カード一覧画面が全部埋まっている、というわけです。
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今後、電子書籍のインタフェースを一から組み立ててもよい、という場合には、このような読書の進行具合を判断できるユーザインタフェースの作りこみがされてしかるべきです。
コンピュータゲームを長年プレイしてきた僕らならば、そういう「顧客要求」があったときには提案できるだろうし、製品の価値を高める提案として出すこともできるのだと思っています。
電子書籍を作る場面にいる人は、ぜひ「読書体験をいかに面白くするか」というところにも踏み込んでいってほしいと思いました。出来るならば、そういう案件も印刷屋さんに来るような状況になっていればいいんですけれども……
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