僕が会社を辞めることにした理由
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かんべむさしはすげえよなあ。僕が「車掌の本分」を読んだのは、光村図書の中学3年国語の教科書なんだけれども、結局これをどう読むかっていうのが職業選択に大きくかかわってきているわけですが。
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(あらすじ:運転手と車掌の2匹のサルが運転するおさるの列車は、遊園地の人気アトラクションになりました。サルを酷使してもっと稼ごうとする遊園地の経営者と、サルがノイローゼになってしまうからと列車の過密運行をやめさせようとするサルの飼育係の意見が対立するも、ともかく増える乗客をさばかなくてはならないので、とりあえず列車の客車数を5両から10両に増やす。)
光村ライブラリー・中学校編-2巻-車掌の本分-ほか pp.102-105より
「しかし、一つだけ我慢のできんことがある。車掌としての誇りにかけて、どうしても辛抱のできないことがある。」
後ろを振り向いて、首を振った。
「運転手がわしの後ろにいる。これはどう考えても、わしに対する侮辱としか思えん。」
一周百五十メートルの円周路線。そこに一両四メートル半の車両を三十両つないで走らせているため、彼の後方わずか十五メートルの所に、先頭の車両が来てしまっているのだった。
「行きたくない、乗りたくないと言ったのは、ここのことだ。あいつは若いから、これを言えば頑固爺の屁理屈だと笑うだろうがな。」
彼は顔を元に向け直し、胸を張ってみた。
「こうして列車の最後尾から車内をまっすぐに見つめている。何か事故はないか、客に病人でも出やしないか、そう注意を払ってまっすぐ前を見て胸を張っている。それが車掌の本分というものだ。」
列車はゆっくりと走り続けている。もう何も考えなくてもできるようになった操作をきちんきちんと片づけながら、彼は思った。
「つまり車掌とは、いわば運転手の背中を見ているべき存在なのだ。なのに今は、」
もう一度振り向き、舌打ちをした。
「あいつがおれの背中を見続けている。」
それは、いっこく者の彼にとっては、耐えられないことなのだった。車掌の本分を全うできない状況に置かれるくらいならば、いっそこの仕事を返上したいと思うほどつらいことなのだった。
「しかも、わしは列車の最後尾になっていながら、実は運転手より前を走っている。」
アルファベットのCの字形につながった列車では、見方によってはそうともいえるのである。そしてそれがまた、彼の誇りをいっそう傷つけているのだった。
「といって、やつが後ろ向きになって運転し、わしが後ろ向きになってその背中を見たとしても。」
今度は車掌のもう一つの義務、乗客に注意を払うということができなくなるのであり、本分を完全にはまっとうしきれないことは明白なのだ。
「一日ぶっ続けの常務でもかまわん。バナナを少しくらい減らされてもいい。」
彼は操作を続けながらつぶやいた。
「とにかく、わしに車掌としての仕事を完全に果たしたという満足感を持たせてほしい。ただ、それだけだ……」
このお話、この後、「ほら、やっぱりノイローゼになったじゃないですか!」とばかりに飼育係が叫ぶのですが、飼育係はノイローゼの原因は過密スケジュールにあると考えているのに対し、本当はサルが業務の本分を尽くせないことによる不満が原因であるという、思いのすれ違いも見ものですので、収録されている書籍で実際に読んでくださいな。
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というわけで、「車掌の本分」を文字のとおりにしか読めなかった僕は、自分の仕事の本分を全うできなくなったので、13年半おつとめした会社を辞めることにしました。
WebサーバインフラやDTP出力業務、Webプログラミングをずうっとやってきましたが、最初にWebサーバインフラの業務をしなくてもよくなり、続いてDTP出力業務から外れました。残りのWebプログラミングの業務に関してはずうっと担当させていただいており、技術者としてここが踏ん張りどころだと思い技術を高めていくことにしました。
そうやっているうちに、コールセンター業務、営業業務、顧客窓口応対業務、DTP教育訓練業務などに携わる、というのがこの前までの状況。
で、最後に言われたのが製造現場の生産業務。ここで、PCは使用できなくなり、細々ながらやってきたWebプログラミングの仕事も完全に無くなることになりました。
「もうゴールしてもいいよね?」
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退職を決めた時に申し上げてきたのは、「この会社の中でやれる仕事がなくなった。お手伝いできなくなった。」ということです。時は移ろい、仕事の内容が変わっていく中で、このような形で業務のマッチングがうまくできなくなったというのはとても残念ですが、これが潮時なのだと感じました。
次の仕事は決まっていませんが、とりあえず4/28に新潟でPerlの集まりがあるみたいだから、WebService::KuronekoYamato でも持っていって参加してみるかなあ……
Niigata.pm tech talk #1 : ATND [atnd.org]
投稿 大野 義貴 [日記・コラム・つぶやき] | 固定リンク |
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