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2004年6月 4日 06:36

Adobe OS?

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OS の役割のひとつとして、よく使われる基本的な部品を OS 側で用意し、それによって、重複するプログラム工程を省いたり、操作の統一感を持たせたりするということがあると思います。今使っている Windows や MacOS、MacOS X などの GUI でいえば、ウィンドウの脇に張り付いているスクロールバーだったり、ファイルを開くなどしたときに表示されるダイアログボックスだったりすると思います。そんな部品群を Windows流にいえば、コモンコントロールといいます。

そんなコモンコントロールのなかに、ドロップダウンリストボックスというものがあります。名前は知らなくても誰もが見たことあるやつです。

xp-theme.gif
▲ドロップダウンリストボックス。テーマ(T): の下のやつです。

普段は、現在選択されている項目を表示して、表示領域内をクリックするか、[Alt]+[↓]を押下することによって、選択できるリストが垂れ下がり(ドロップダウン)、それを、マウスカーソルで選択しクリックしたり、カーソルキーで選択して[Enter]を押下するなどで、選択を変更できるものです。

次は、Adobe Indesign 2.0J のレイアウトグリッドの作成のダイアログボックスです。

InDesign2のレイアウトグリッドの設定画面
▲InDesign2ではWin標準の[Alt]+[↓]ではドロップダウンしない

同じようにドロップダウンリストボックスを落としてみました。このボックス、実はちょっと変です。マウスクリックではドロップダウンしますが、[Alt]+[↓]押下では、ドロップダウンしてくれません。どうやら、OS が用意してくれているコモンコントロールのドロップダウンリストボックスを使わず、Adobe が独自に作ったドロップダウンリストボックスを使っているような節があります。そういうわけで、OS の“お約束”で操作ができなくてとっても不便だったりした去年。そんな操作系を含め独自の環境の構築を目指す姿をさして、「Adobe OS」という人もいました。

そして、Adobe Indesign CS のレイアウトグリッドの作成のダイアログボックスです。

InDesignCSのレイアウトグリッドの設定画面:しかし版面設計の場面で単位系の設定ができないというのはそろそろおかしいと気付いてほしい
▲InDesignCSではWin標準の[Alt]+[↓]でドロップダウンする

同じようにドロップダウンリストボックスを落としてみました。[Alt]+[↓]押下でちゃんとドロップダウンしてくれます。やった! ちなみに、Illustrator 等でも、前バージョンでは[Alt]+[↓]がドロップダウンにならなかった場面に対し、CSではドロップダウンしてくれるようになりました。Adobe OS なんて考え方をすれば、OS のコモンコントロールがバージョンアップしたという感じなのでしょうか。

めでたし、めでたし。とっぴんぱらりの、ぷう~。

次は、数字入力のテキストボックスで、オペレータが2つ以上の演算をサポートしてください。ここだけ、Quark社に負けているぞ。

投稿 大野 義貴 [DTP] | |

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コメント(2)

あやしい独自OSならJUSTSYSTEMを忘れてはいけない…はずだ。ワレラ昔からの一太郎ユーザーはそれを忘れてはいけない…。

っていうかJUSTSYSTEMもユーザーのためにファイルを開くダイアログや(上書き保存とか開くとかの)アイコンを独自のものにしているのだろうけれども、何かイマイチ。アイコンは特にわかりづらいからいい加減変えて欲しいな。MS標準でもヨシ。

怪しげな独自OSならソーサリアンシステムを
忘れてはいけないでしょう。
http://www.ipc-tokai.or.jp/%7Eytanaka/pc88/index.shtml

今回の話題は OS の拡大解釈なんですけれども、開発に都合いいようなプロフラム群を OS というのなら、太古の昔、キャリーラボの C-DOS に始まり、色々な種類の OS がでていますね。

現在の Adobe ソフトの場合は、自社製ソフトウェアでしか利用できないわけですから OS とはいいにくいわけですが、CoolType みたいな Adobe 標準フォントライブラリを用意することによって、MacOS や Windows のもつフォントライブラリを利用せずにフォントにアクセスできるなど、本来 OS にサービスしてもらうところをそっくり代替できていたりするので、OS チックであると思います。

もし、Linux に Adobe ソフトが移植されるときも、Linux の情勢不安定な フォントライブラリを全く使わずに自社製の CoolType を使うことによって、プラットフォームが異なっても、同じフォントを使うことによって、得られる結果が同等になるでしょう。

このように、Adobe ソフト群は、「フォント」という切り口で標準をもたらす存在になり、現在 Adobe ソフト群がクリエイティブ用途で利用できない Linux などでは、印刷業界がいうところの DTP はいつまで経ってももたらされないのでしょうし、逆に Adobe が Linux 用に現行の Adobe CS を移植すれば、Linux でさえ DTP ができるプラットフォームになるんじゃないでしょうか。

ここまで書いて気付きましたが、Linux って Acrobat Reader ありましたよね。あれって CoolType エンジン積んでいるから、CID フォントに関してはほかの Adobe ソフトと互換なのかな(Linux は GUI では使ったことないのでわからない)。

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