「DTPで使う画像形式の違い」について指摘
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DTPで使う画像形式の違い: DesignWorks [designworks.seesaa.net]
というエントリで簡潔にまとめられているので、そのまま読み流すところでしたけれども、対象が、はてなブックマークを利用しているメインユーザであるところの Web 制作者ならこれでいいのかもしれんけれども、よく読むとつっこんでおいた方がいいような気がしたので、ちょっと書いときます。けっして、そろそろ~についてひとこと言っておくか、とかではない。
DTP な人は、少しでもつっこんでおいて、変なデータが飛んでくるのを阻止した方がいいですよ!
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://designworks.seesaa.net/article/43081116.html
▲もっとつっこもうぜ!
~~~
以下
DTPで使う画像形式の違い: DesignWorks [designworks.seesaa.net]
より引用
■Photoshop EPS .eps
Photoshop EPS 以外の EPS にも言及した方がいいんじゃないでしょうか。
■TIFF .tif
TIFF形式は、ほとんど全てのペイント、画像編集、ページレイアウトソフトでサポートされているビットマップ画像形式です。そのためTIFFデータで上げてくる写真家の方も多い。その他にTIFFは二階調画像として保存すればレイアウトソフト上で色を付ける事もできます。
レイアウトソフトによっては、二階調ではなくて、モノクロでも色づけできるものもありまして、まあ、レイアウトソフト側でどこまでがんばるかに依存しちゃいますね。
■Photoshop DCS .dcs
DCSはDesktop Color Separationsの略で、Quark社によって開発されたEPS形式の一つです。ファイルは、単一のファイルと、複数の特色チャンネルによってできており、例えば1つのCMYKファイルを保存すると、プレビュー用のファイルと、CMYKに分けられた4つのファイル、計5つのファイルが作成できます。仕事や環境にもよりますが、あまり一般的ではなく、現場ではほとんど使われていません。
EPS(DCS1) が使われていた頃は、Mac には拡張子が付けるという概念が希薄な時代だったんですよね。だから、実運用では、
- 鍋物**
- マスターファイル
- 鍋物**.c
- シアン版(データ自体はモノクロ)
- 鍋物**.m
- マゼンタ版(データ自体はモノクロ)
- 鍋物**.y
- イエロー版(データ自体はモノクロ)
- 鍋物**.k
- ブラック版(データ自体はモノクロ)
ていう5ファイルができることに。
あと、CMYK JPEG エンコーディング EPS を分解できない 製版機(RIP)でも、EPS(DCS1)+JPEG エンコーディングを使うと(すでに分解できているので)出力ができたので、全判 CTP 黎明期の全判ポスター出力なんかにスゲエ重宝しました(スイッチバックは免れなかったけれどもね)。おそらく機材構成によっては、いまだに DCS1 + QuarkXPress で出力しているところもあると思います。
おまけで EPS(DCS2) つうのもありますよね。
■PDF .pdf
PDF(Adobe Acrobat Portable Document Fomat)は、レイアウトされた完全なドキュメントを配布及び表示するための標準的な形式です。Postscript3を基にしているので、 Postscriptに非常に親和性があります。最近はPDFで入稿できる所も増えてきて、DTPでも非常に重要な圧縮形式の一つ、レイアウト、タイポグラフィ、ビットマップ画像、ベクトルグラフィックを保持でき、フォントデータも埋め込めます。入稿や印刷だけでなく様々な圧縮サイズを選べるため、確認用としても重宝します。
ココは誤解するとまずいのでしっかり指摘しておきますが、まず、レイアウトソフトへ配置される PDF と、レイアウトソフトから印刷用データとして出力される PDF をごっちゃにするとまずいです。
PDF を配置できるアプリケーションは、アプリケーション側で PDF の処理をしなくてはならないのですが、
- PDF はオープン規格である
- PDF を処理する方法が一定ではない
- PDF を生成するソフトが一方的にオレオレ PDF を生成する
なんて状況ですから、どんなアプリケーションでも同じ再現がされるていうわけではないです。
そういう意味で、PDF をレイアウトソフトの配置データとして利用することはけっこう賭けです。
アドビのソフトから書き出されてた PDF または AI(Illustrator ネイティブ形式。Illustrator 9 以降は他のアプリで出力に利用される部分が PDF になっている) をアドビのソフトに配置しても事故になるから油断できません。特に、Illustrator CS、InDesign CS、Acrobat 6 あたりを持っている人、そいつらの PDF エンジンはくそなので即刻捨ててください、事故起こす前に。
一方、エクスポート用 PDF フォーマットとしては、仕様を厳密化した規格、PDF/X というものが用意されています。
アプリケーションは、出力用データ形式として PDF/X を選択できるようになっていて、製版機(RIP)側でも、同様に、PDF/X を受け取って、RIP の内部形式に変換して処理します。
そういうことだから、PDF/X で再現がおかしいところがある場合は、ベンダも原因究明には協力的だったしますね。つうことからもわかるとおり、PDF/X だからといって完全じゃないってことです。変な再現を見つけたらすぐベンダにチクってね(Adobe のエンジンが悪くて改善できませんとか言われるかもしれんけどw)。
とはいえ、画面校正用とか、他の用途用に、PDF/X じゃない、PDF 形式も書き出しできるので、これを入稿してきて現場を困らせたりしているわけです。
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以下は、某所に書いたやつ。テーマは、「画面校正」だったかな?
[mixi] DTP完全データへの道 | 画面校正 [mixi.jp]
PDFで送るといったとき、
・レイアウトソフトの PS 書き出し→Distiller で PDF 化
・レイアウトソフトの PDF 書き出し
・レイアウトソフトから出てきた何らかの PDF を、
RIP に入れるように PDF 編集ソフトで調整
・レイアウトソフトから出てきた何らかの PDF を、
RIP に入れるように PDF 編集ソフトで調整(PDF/X)
・PDF をワークフロー RIP で処理した PDF/X
・PDF をワークフロー RIP で処理した製版用 PDF
・PDF をワークフロー RIP で処理した画像 PDF
・複合コピー機でスキャニングして生成した 画像 PDF
などいろいろありますよね。
この取り決めに言及している雑誌記事って見たこと無いです(てっか頭から単一ワークフローに決めてかかっている)。おそらく実際には、現場現場で勝手に作業なされていると思います。
(2007-05-28 12.10訂正)
コメントの指摘を受けて、
はてなブックマークのコメントを修正しました。
全くお恥ずかしい限りですが、やっぱり単語修正しないで放置するのは、印刷業界にいる人間としてはだめだと思いまして、直しました。他にもおかしいところがあったら指摘してください。
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用語は大事らしいので..
s/inDesign/InDesign/
やっちまったね\(^o^)/
すぐ直しましたw
*.bmpは無いのですね~
「DCS1だと既にCMYKで分解されているから、RIPへの転送負荷が軽い。1ファイルのEPSだと、4版おのおので転送されて分解処理がかかる」というようなTipsをFDTPで見て実践していた記憶がある。
当時の10BASE-5のLAN負荷を少しでも下げたいと思ってたんだろうなぁ。