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2007年6月28日 13:17

製版現場での技術革新が不幸になっている例

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日記: 五巻ようやく手元に [mmmasayuki.cocolog-nifty.com]

書いた線のうちの細いものがことごとく消えてます 雲とか影とか丸ペンの線がかなり・・  これはなんか製本の技術が進化したらしく そのソフトの能力では僕の使っているトーンはモアレが出てしまうらしく(デリータという 結構一般的なやつなんですが)それを回避するための措置が生んだ結果らしく モアレを防止したら線が消えたそうですよ
   極細の線を残したいのなら 原稿自体をデータ入稿にしたらいいとのことでした

これは製本の仕組みが進化したんじゃなくて、製版の仕組みがアナログからデジタルにがらっと切り替わったことに起因しています。

この場合、デリータのスクリーントーンはあんま関係ない。

void GraphicWizardsLair( void ); // 「もやしもん」5巻がデジタル処理のために細かい線が飛んで白くなっているという作者の嘆きがあるが、それって技術者のイイワケじゃないか? [www.otsune.com]

この件で「デジタル処理で漫画原稿を印刷するときにトーンのモアレってどう処理しますか?」とNIFTYのFDTPで相談投稿を投げたら、FDTP常連の叶精作氏が答えてくれたりしたのを覚えているなぁ。答えは「写真製版でアナログに処理するか、デジタル入稿にするのが最適。トーンとモアレ問題は難しい」という感じだった。

エレクチオン

その気に成れば技術者は砂粒を拾うようにモアレ回避処理をする事が出来るんだから「モアレを防止したら線が 消えた」ってのは「右から左にデータを受け流していたら線が消えちゃってたけど、気にせずに沢山印刷しちゃった。機械のせいだから責任もてないよ。責任無いよ」というDTP界隈では良く有る言い逃れ手法だと思う。つまり政治層の話が混ざってる。単なるデータなんだから、本当は何とかなるはず(手間はかかるだろうけど)。

僕はマンガ雑誌・コミックのワークフローをわかってないから、一般的なデジタル化以降の DTP で考えることしかできないけれども、これって、雑誌連載時に分解したデータを、再分解なしに、コミックのサイズに縮小したら、モアレが出た、ていう問題なんじゃないのかな?

新世紀以降のマンガ制作システムの情報って流通されてないからなー

ここであまおかさん

[pc][dtp] アナログ作業とコミックとスキャナとモアレ [logicsystem.sakura.ne.jp]

昔のように、がんばって働く熟練工さんたちがたくさんいればいいんですけど、まぁ世の中のニーズの多くは安く適当にってことなんで、そのへんは回り回ってる気がします。安くて早くてうまいってのは、安い割に早くて安い割にうまいってのであって、高いものと比べるようなモンではないですな。特に何かを作る業界では。さらにコミックなんて雰囲気を食うにもかかわらずものすごい勢いで消費される業界では。

金かけずにそこそこのあがりでいいという判断がそこにあるという話。

印刷物を作品と見るか工業製品と見るかの違いは、あちこちで衝突を生む話題ではあるけれども、マンガ・コミックもその衝突の現場の一つといえそうです。

投稿 大野 義貴 [DTP] | |

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