00年代(ゼロ年代)が終わるにあたり00年代のDTP周りの感想を書いてみる
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もうちょっとで2009年が終わるわけですけれども、2009年が終わると、00年代と呼ばれる10年間も終わるわけで、その間僕はずうっと印刷会社におったわけなんですけれども、そういう観点で、10年間何が変わったかなーとか考えてみるのもいいかと思った。
とはいえ、僕はこの10年間でも配置換えで3カ所の部署を回っているわけですべてにおいて技術の理解が浅くなっているのはあらかじめご勘弁。もっと他のことがあるだろ、て思う人は自分のblogでやるといいよ。
1. アプリの選択にオルタナティブが無くなった
この10年間で、DTP用アプリの選択は非常に楽になりました。お店に行ってAdobe Creative Suite Design Standardを買ってくればいいのです。その間、他社のDTP用ソフトはほぼ淘汰されてしまいました。
Adobeさえ最初に選択してしまえば学習が無駄にならないという意味でいいんですが、アドビの提案する作法っていつも最良のものであるかというとそれも疑問であるわけです(VersionCue使っているか?)。何をするにもAdobeのソフトを使うというAdobe脳になりがちですから、他のソフトを使って違った観点から仕事をするっつーのもあった方がいいと思うわけです。今更しないと思うけど。
2. OPI技術がほぼ死滅した
OPIでの運用をがんばりすぎると、DTPの本筋の知識と、OPIの知識の両方を持っていないといけない、これがかなり難しいんですよね。たとえば、
- 「QuarkXPress 3.3Jで分版出力するときには、RIP側が対応していないとJPEGエンコーディングEPSは分解されない」
↓ - 「DSのOPIで運用すると、JPEGエンコーディングのDSC1 EPS(5ファイル)から低解像度を作って出力すると正常に出るししかも速い!」
とかいうノウハウは正直言ってよそに行って役に立ちません。あと、OPIシステムがDTPソフトの環境の変化に対応できないっていうこともありました。そういう意味で、OPI運用は「高速だけど高コスト体質」だったんだなあと思いました。僕はOPI好きなんですけれどもね。OPIの話をすると低解像度置き換え方式のことしか知らない方が多いらしいので、2000年前後にほぼ絶滅の方向に動いていたのかもしれません。
3. DTPの技術自体はほとんど進化がない
DTPの技術自体はそんなに進化がないですよね。「透明効果でかなり変わったじゃないか」とかいうかもしれないけれども、バックヤードでは相変わらず解像度やらなにやらとかいう旧来の概念の縛りが強いのは出力側の人なら知っていると思います。
そういう意味では、新しいことを知るのを拒んできた人にとっては10年間過ごすにはよかったんだと思います。
でも、その間に映像系技術はかなり先に進んでしまっています。この前Adobe CS 4に搭載された色弱シミュレーションは、12年前大学の特別講義で見たことある話だったりしますので、最先端の技術が民生に降りてくるまではこのぐらいかかるのかなあとも思いますけれども、同じくPhotoshop CS4に搭載されたシームカービングは2007年に話題になってからのAdobeの動きがマッハ過ぎてワラタ。CS5とかも見ていると、いよいよ今までDTPの世界に反映されなかった技術が投入されまくる時代になる予感はありますよね。
4. Glueなネタを公開するのが減ってきたかも
仕事をしていると、ある業務と業務の間をつなぐための作業というのが出てきたり、あるソフトとソフトの間にこれを使うと便利、という作業があったりするものです。
例えば、PageMakerから書き出したEPSにはプレビューがついていないから、QuarkXPressに貼り込む前にEPSにプレビューをつける、とかいうことをやります。
M.C.P.C.: GhostScriptでEPSにTIFFプレビューを付ける
でも、最近こういう業務と業務の間をつなぐGlue(糊)なネタを公開するのってあんまり多くないような気がしています。
それは、
イラレの鬼に変わるソフト? [dtp-bbs.com]
ご存知のように多くの会社が各社で組んだものを持っているはず。
私の知っているデザイン事務所でも結構自社で組んだものを持っています。
そういうものは自社資産なため、外部にしかも不特定多数に公開なんてことはまずしないでしょう。
正直、それを簡単に要求する神経を疑ってしまいます。
とかいう意見なのかな。なんか残念。
まあ、そんな感じで、せっかくなんで他の方の00年代の感想も見てみたいなーと思ったりするわけです。かしこ。
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