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2004年11月29日 07:55

DTPアプリはソフト製版機

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http://cl.cocolog-nifty.com/dtp/2004/11/indesign_cscmm.html#c1092045

わざとらしい質問ですが、EPSとかPDFが貼り込んであったら、ネイティブデータのIllustrator形式(.ai)とかPhotoshop形式(.psd)にすべきでしょうか。

PDFのネイティブってなんだよ!!ってツッコミはナシの方向で。とりあえずIllustrator CSで読み込ませて何とかする方向で(嘘)。

 一言、いじっちゃだめーていえばすみますが、昔2ちゃんねるで、「DTPアプリはソフト製版機」ていう意見を投げておいたから、それを拾ってくるテスト。

DTPアプリケーションはソフト製版機

 現在販売されている DTP アプリケーションといわれるソフトウェアは、「ページレイアウトソフト」「ドローソフト」「フォトレタッチソフト」などと呼ばれているわけですが、これらは皆、「製版指定と、製版シミュレーションを行うソフトウェア」です。

 Illustrator が製版ソフト? なんていぶかしげに思うかもしれませんが、Illustrator で CMYK 値 を指定して Postscript デバイスで出力することは、製版へチント指定することと同じです。チント処理ってなんなの、だって? うーん。

 DTP アプリケーションがソフト製版機であり、制作側、出力側両方で、同じソフト製版機を持つことにより、実際の製版システムから独立したところで製版指定が可能になっているのです。

制作側は製版機をいじっているのだから製版の仕組みを理解していなくてはならない

 みんなが大好きな Illustrator や、ちょっと好みが分かれる InDesign などは、兎に角製版ソフトです。だから、制作側で、製版結果が分かるようになっています。でも、制作側の方で、製版結果が事前に分かるシステムだと認識している方はごく一部だと思います。そうでなければ、不必要なオーバープリントがかかっていて修正をするというのは、制作側の仕事であるはずですから。実際には、出校するときには、オーバープリントの確認をしていないケースが大半だと思います。

 制作側で使っているソフトは、ドローソフトや、ページレイアウトソフトである以前に、製版ソフトなのですから、制作オペレータの方は、製版の知識を持ち、出校前に製版結果を確認しておかなくてはならないのです、本来は。

だから制作側で指定したとおりに出力されればいいというのが本来の姿

 共通の製版環境であるのですから、制作側で指示したデータによる製版指定が再現されるように、実物の製版機を操作するのが出力側の仕事です。

 なので、冒頭の引用部に対する答え、としては、「画像形式によりカラーマネージメントの適用が異なる状況で、よりカラーマネージメントの指定が効く形式に、出力側で貼り替えてはいけない」。理由は、「制作側で結果が分かっていてその画像形式を指定しているのだから、出力側で画像形式を変更して貼り替えることは約束が違う」ということです。

 建前では

実際には制作側の方は製版指定なんて思っていない

 Illustrator や InDesign のパッケージには、「製版ソフト」なんて書いていません。また、途中で例示したとおり、製版ソフトであるから確認されているはずの事柄もなされていないのですから、きっと「製版ソフト」っていう認識が最初からない方が多いんだと思います。

 結果として、製版指定の一部は、出力側で製版指定修正をサービスしなくてはならないことがほとんどです。

出力側の製版指定修正サービスは有料とかどーたらというのは事業所ごとの方針だから

 出力側で、製版指定修正サービスをタダでやるか、有料でやるか。そんなの知るかっ! サービスをタダでやると、1つの仕事をするたびに、修正しなくてはならない仕事ばかり入ってくるので、スループットがかなり落ちますから、作業従事者の拘束時間が増大して、コストがかかります。逆に、修正を必要しない仕事をえり好みして受け付けていると、スループットが上がって、作業従事者は早く帰って夜7時からのテレビを見ながら「かあさん、今日のカニクリームコロッケは絶品だね。」なんてほかほか家族が実践できますが、そんな仕事はやはり少ないので、こなす量的な問題で、売上が上がりません。一家団欒もいまや一家離散の危機です。

 一ついえるのは、製版指定修正サービスを有料なり、無料なりで提供しているのだから、制作側にサービス内容を伝えておかなくてはならないということです。こっそり直しは、データの無断改変になるっていうことです。

 現実には、制作側の方で、製版ソフトを使っているという認識がないことがほとんどなので、製版指定修正サービスの意味を理解してもらえないケースがあるのですが。

結論:出力側で直せる仕組みがある以上、入校データの正規化は無理

 ああ、いやな結論だ。

投稿 大野 義貴 [DTP] | |

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コメント(2)

版下で製版指定したことがない世代には、製版の話はわかりづいらいでしょうね。

ある印刷会社でベテランのDTPオペレーター(世間的にはデザイナー?)が作りなおしたというデータを見たら、文字の部分がQuarkXPressで組んであったりIllustratorの割付だったり、で、文字修正が面倒で、全部作り直しました。チラシですが。デザイナーが作るデータもピンキリですね。

私も前は4色の時には分版チェックしていましたが、そういえば、いつの間にかしなくなりました…。

私も前は4色の時には分版チェックしていましたが、そういえば、いつの間にかしなくなりました…。

実際に分版出力して分解された状態で確認するっていうのはさすがに大変なのですが、時間コストを掛けると分版したものを合成してくれるプリンタもあるので、そういうものを選ぶという機材選定の仕方もあります。最近のソフトウェア RIP は高速になっていて、分版合成のプリントもすこぶる早くなっています。

一方、In-RIP セパレーションによるワークフローも整い、分版合成でカンプだししなくても済むようになってきている状況もありますね。

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